「年俸一億円プレイヤー」これは、日本スポーツ界にとってはトップアスリートの仲間入りを意味する言葉いっても過言ではありません。一億円というのはプロ野球の大台からきているものですが、そもそもは1987年、中日ドラゴンズに在籍していた落合博満選手が日本初の一億円プレイヤーです。その額年俸1億3000万円。その後日本プロ野球では選手年俸が上がっていきました。
さて、一億円というのは日本でのこと、世界に目を向けた場合、どのスポーツがどれぐらいの年収なのでしょうか?また、選手生命(選手としてプレイできる年数)を考慮した場合、どのスポーツが最も収入が期待できるのでしょうか?今回は、チームスポーツに絞って調査をしました。
スポーツ平均年俸(年収)ランキング
まずは、スポーツの平均年俸ランキングを調査しました。アメリカのヘッジファンド調査会社「INSIDER MONKEY」が2015年に行った調査をもとに、世界で選手の平均年収が最も高いチームスポーツを紹介します。
順位 | 競技名 | 平均年俸($) | 平均年俸(円) |
1 | バスケットボール(NBA) | $4,575,918 | ¥466,743,636 |
2 | クリケット | $4,330,799 | ¥441,741,498 |
3 | 野球(MLB) | $4,166,159 | ¥424,948,218 |
4 | サッカー(MLS) | $3,822,003 | ¥389,844,306 |
5 | アイスホッケー(NHL) | $2,614,928 | ¥266,722,656 |
6 | アメリカンフットボール(NFL) | $2,110,829 | ¥215,304,558 |
※1ドル=102円で計算
6位はアメリカンフットボール(NFL)の平均年俸2,2億円です。アメリカで人気ナンバーワンプロスポーツ。1シーズン16試合しかありませんので、1試合あたり1,400万円の収入となります。スタジアムのチケット収入、スポンサー収入も多いため、選手の年俸が高いことも納得できますね。
5位はアイスホッケー。アメリカとカナダが参加するNHLの平均年俸2.7億円です。日本ではあまりメジャーではなく、北米で広く楽しまれているスポーツです。
4位はサッカー。アメリカMLSだけでなく、ヨーロッパ各国、アジア地域でも大人気スポーツです。アメリカMLSの平均年俸は3.9億円。ヨーロッパで活躍した人気選手(べカム選手など)をアメリカへリクルートする動きが盛んです。
3位は野球(MLB)です。平均年俸は4.2億円です。ロサンゼルス・ドジャースは平均8.7億円、田中将大選手が所属しているニューヨークヤンキースは平均8.0億円を支払っています。日本プロ野球12球団全体の支配下選手平均年棒は3,712万円ですので、さすがアメリカン・ドリームですね。
2位はクリケット。日本では超が付くマイナースポーツですが、世界の競技人口はサッカーに次ぐ第二位。インドやオーストラリアではプロリーグが存在します。その平均年俸は4.4億円です。
そして1位はバスケットボール(NBA)です。これまでマイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソンと、スポーツの枠を越えた人気プレイヤーを輩出してきました。一試合5人が出場するため、所属選手の数は最も少ないスポーツです。その分選手一人の取り分が多くなるのでしょう。
選手生命が一番長いスポーツ
平均年俸のランキンがわかったところで、生涯収入が最も期待できるスポーツは何でしょうか?平均年俸が5億円でも選手生命が1年しかもたないスポーツと、平均年俸が1億円でも選手生命が10年もつスポーツであれば、後者の方が稼げるスポーツですよね。
平均選手寿命、つまり引退までに何年間プロとして活躍できるかを調査しました。
順番は、平均年俸順に並べています。
競技名 | 平均選手生命(年) |
バスケットボール(NBA) | 4.8 年 |
クリケット | 6.0 年 |
野球(MLB) | 6.0 年 |
サッカー(MLS) | 4.0 年 |
アイスホッケー(NHL) | 2.6 年 |
アメリカンフットボール(NFL) | 3.5 年 |
やはり、アメリカンフットボール、アイスホッケー、サッカー、バスケットボールという激しいコンタクトスポーツは活躍できる年数が短いですね。アイスホッケーは2.6年。新人選手のほとんどが3年後には引退に追い込まれます。それぐらい過酷なスポーツなんですね。
逆に野球やクリケットは平均6年と長めです。野球を例に挙げると、日本では50歳ぐらいまでプレイする選手もいますよね。
生涯収入の期待値が高いスポーツ
生涯収入の期待値とは、そのスポーツの現役選手中にどれだけ稼げるのかを意味します。それは、「平均年俸(円)×平均選手寿命(年)」で計算されます。その結果、最も稼げるスポーツが分かりました。
順位 | 競技名 | 平均年俸(円) | 平均選手生命(年) | 生涯期待収入(円) |
1 | クリケット | ¥441,741,498 | 6.0 年 | ¥2,650,448,988 |
2 | バスケットボール(NBA) | ¥466,743,636 | 4.8 年 | ¥2,240,369,453 |
3 | 野球(MLB) | ¥424,948,218 | 6.0 年 | ¥2,549,689,308 |
4 | サッカー(MLS) | ¥389,844,30 | 4.0 年 | ¥1,559,377,224 |
5 | アメリカンフットボール(NFL) | ¥215,304,558 | 3.5 年 | ¥753,565,953 |
6 | アイスホッケー(NHL) | ¥266,722,656 | 2.6 年 | ¥693,478,906 |
なんと1位はクリケットなんです!世界で一番稼げるスポーツは、クリケットの選手になることです!
最下位(6位)はNHL。NHL平均年俸ランキングは5位ですが、平均選手生命が2.6年の最もハードなスポーツであることから、生涯収入の期待値は最下位となってしまいました。
スポーツ収入ランキング1位はクリケット
スポーツ別の年俸(年収)ランキングと選手生命平均(年数)を調べた結果、世界で一番稼げるスポーツはクリケットであることが分かりました。クリケットは日本にはほとんど馴染みのないスポーツで、そのルールが分かる人、プレイした人はほとんどいません。
クリケットは世界中に普及しているスポーツであり、イギリス発祥であるため英国と関連性がある国では競技人口が多く、サッカーに次ぐ世界第二位の人口です。 特に人気がある国はイギリス、インド、オーストラリア、南アフリカなどで、インドのインディアン・プレミアリーグ(Indian Premier League、IPL)は世界的に有名です。
「日本のマイナー競技が、実は世界でナンバーワンスポーツである。」この事実は大変考えさせられますね。野球やサッカーといった日本で有名なスポーツに目が行きがちですが、世界目線でスポーツを見るとクリケットをはじめ数多くのスポーツが稼げるスポーツなんです。
日本でのマイナーなスポーツは、大きな可能性に満ちあふれていますね!