こんにちはMr.レフェリーです。「いつでも、自由に、好きな時に、スポーツ生観戦ができるライフスタイル」を提案しながら、多くの方にスポーツ現地生観戦の魅力を伝えています。
二年前に友人がいるニューオリンズへ行き、ニューオリンズ・セインツの試合を観戦しました。行き先はメルセデス・ベンツ・スーパードーム。2005年に発生したハリケーン・カトリーナによって、ニューオリンズの町はとてもひどい状況になりました。このスタジアムは避難所になり、当時はレギュラーシーズンで使用できないほどの被害を受けたと聞いています。そんな歴史を感じさせないほど壮大なスタジアムとビッグプレイを楽しんできました。そこでひとつ「?」と感じたこと。それは試合開始前のコイントス後に、プレイヤーの一人がフィールドの真ん中に立ち、振り上げたこぶしを振り下ろした瞬間に、観客が「who dat!who dat!」の大合唱をすることです。これはチャントと呼ばれる応援なのですが、スタジアムにいた私は怒号のように響くその歓声に圧倒されたの忘れません。
ところで最近上映された映画「ギフト 僕がきみに残せるもの」をご存知でしょうか?難病ALSを宣告された元アメリカン・フットボールのスター選手が、生まれてくる息子のためにはじめた様々な行動をおさめたドキュメンタリー映画です。実はこの映画、ニューオリンズ・セインツの元スター選手スティーブ・グリーソン氏の映画であり、ハリケーン・カトリーナから立ち直ったニューオリンズ・セインツの復興の象徴とまで呼ばれたプレイを魅せた名選手なのです。試合前に合唱される「who dat!」を象徴するような選手です。
今回は、ニューオリンズ・セインツの観戦に欠かせない「who dat!」の知識と、映画「ギフト 僕がきみに残せるもの」の感想を交えつつ、スポーツ現地生観戦の魅力を紹介します。
「who dat」はどういう意味なのか?
私がアリーナで聞いた「who dat!」はそもそも何と言っているのか?調べてみたところ、「Who dat? Who dat? Who dat say dey gonna beat dem Saints!」とのこと。「dat」は「that」が、「dey」は「they」が、「dem」は「them」がなまったものだそうです。直訳すると「だれだ?だれだ?だれがセインツを倒せるって言った?」という意味です。【誰がセインツを止められるんだ?!】みたいな意味ですね。コイントス後、プレイヤー(その時々で異なる)がフィールド中央でこぶしを振り上げ、振り下ろしたの合図にこのコールが大合唱されます。これはチャント呼ばれる応援の儀式で、いろいろなチームにこういったチャントは存在します。例えば、阪神タイガースの風船飛ばしや中日ドラゴンの「燃えよドラゴンズ!」の合唱もそうですね。
こういったチャントは、テレビ中継では体験することができないものです。生観戦ならではの貴重な体験ですよね。このチャントを口ずさむうちに、周囲のセインツファンと絆ができ、観客も選手たちと同じく戦闘モードに入っていきます。次のスポーツ生観戦の時、特に海外でスポーツ観戦する際は、そのチームのチャントを事前に調べておくことをオススメします。生観戦の醍醐味を十分に味わうことができると思いますよ。
「who dat!」を行ったニューオリンズの英雄
この「who dat!」ですが、フィールドで合図をするのはプレイヤーばかりではありません。スティーブ・グリーソン氏はその一人です。彼はセインツの元プレイヤーで、引退後に難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症しました。現役時代、彼はスーパーボウルで大活躍しチームをスーパーボウルチャンピオンに導きました。その活躍の姿は、ハリケーン・カトリーナの被害が残るニューオリンズの町の復興と言われ、人々の記憶に深く刻まれました。彼はニューオリンズの英雄なのです。
ALSが体を蝕んでいく中、彼はフィールドに立ち、「who dat!」を先導します。この姿には心が震えてきます。そして彼のドキュメンタリー映画が先に述べた「ギフト 僕がきみに残せるもの」なのです。病気になっても、希望を忘れず必死で戦う彼の姿に心を打たれます。この映画を観ることで「who dat!」をよりいっそう感じることができます。
「who dat!」を通して知ったスポーツ現地生観戦の魅力
私はスポーツ現地生観戦の醍醐味は「臨場感」と「場の共有」と理解しています。その場にいるという「臨場感」が与えてくれるスポーツの迫力、緊張、感動、スタジアムの雰囲気。そして現場にいる観客が、同じプレイを観て感動する「場の共有」。この二つはテレビ観戦やニュースのダイジェスト、新聞では得られることができないスポーツ現地生観戦の醍醐味です。
セインツのチャント「who dat!」がはじまった瞬間、その場にいるセインツファンが全員総立ちで、「who dat!who dat!」と叫びはじめます。テレビでNFLの試合を観戦したことがありますが、チャントの映像はほとんどなく、選手や監督の表情が放送されます。現地スタジアムへ行くことでチャントを唱えることができ、それを通して多くのセインツファンと心を一つにしていくのです。戦っているのは選手だけでなく、私たちもその一人になります。これがスポーツ現地生観戦の魅力なのです。
「who dat!」を覚えてNFLセインツを観戦!
ハリケーン・カトリーナの苦難を乗り越え、スティーブ・グリーソン氏という不屈の名プレイヤーを排出したニューオリンズ・セインツ。それを象徴するかのような「who dat!」のチャント。スーパーボウルMVPプレイヤーのQBドリュー・ブリーズが率いるニューオリンズ・セインツは、NFL観戦の興奮や感動を与えてくれるチームです。「who dat!」を覚えてNFLセインツ戦観戦に出かけましょう!
ニューオリンズへは羽田からヒューストンを経由して行くことができます。ルイ・アームストロング・ニューオーリンズ国際空港へは約16時間の旅。貯めたマイルを使えばいつでもいける場所です!
「いつでも、自由に、好きな時に、スポーツ生観戦ができるライフスタイル」を手に入れ、一人でも多くの方が一日でも早くアメリカでアメフト観戦を実現して欲しいと願っています。