アメフトのDL選手が起こした反則はいったい何が問題なのか?

アメフト DL 反則
こんにちはMr.レフェリーです。「いつでも、自由に、好きな時に、スポーツ生観戦ができるライフスタイル」を提案しながら、多くの方にスポーツ現地生観戦の魅力を伝えています。

この時期はロシアワールドカップの話題で持ちきりだと思います。日本代表のが見事グループリーグを突破して決勝トーナメントへ進めるよう、みなさんで応援しましょう!

少し前の話題となりますが、某大学の定期戦で発生したアメフトDL選手の反則問題、自体は二転三転して、大学の運営などにまで問題は波及しています。辞任された監督やコーチには、なにかときな臭いはなしもあるようで、まだまだ問題の収束は長引きそうですね。

今回はレフェリーの観点から「アメフトのDL選手が起こした反則はいったい何が問題なのか?」について解説したいと思います。あの反則は何というのか?何が問題なのか?他にも類似の反則はあるのか?について解説します。

アメフトのDLについては知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
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DL選手が犯した反則はパーソナルファイル

アメフト DL 反則
今回の試合でDL選手が犯した反則はパーソナルファウルです。これは相手選手を傷めつけることを意図して行われた危険たプレイに対して課されるファウルです。プレイを終了したQBの背後からタックルをした今回の反則、QBは防御することもできず、海老反りになりグラウンドへ倒されました。まるで人形のようになぎ倒されるQBの姿に、誰もが恐怖を覚えたと思います。

パーソナルファウルが発生した際、以下の罰則が課されます。

【パーソナルファウルの罰則】
① 反則を犯したチームは、ボールデッドの位置から15ヤードの罰則が課されます。
② ディフェンスが犯した場合は、オフェンス側が15ヤード前進し、自動的にファーストダウンが更新となります。

また、今回発生したパーソナルファウルは、「アンネセサリーラフネス(不必要な乱暴行為)」に分類されます。パーソナルファウルの分類について紹介します。
【【パーソナルファウルの分類】
① アンネセサリーラフネス : 不必要な乱暴行為。以下②③④⑤に該当しないプレイを包括。
② レイト・ヒット : 主にボールキャリアに対して、ボールデッド後にコンタクトする行為。
③ ラフィング・ザ・キッカー : キッカーに対してコンタクトする行為。
④ ラフィング・ザ・パサー : パスを投げ終わったQBに対してコンタクトする行為。
⑤ フェイス・マスク : 相手のフェイスマスクを掴む行為。

アメフトはコンタクトスポーツのため怪我が多いスポーツと思われていますが、それ故に選手を怪我から守るルールはとても厳しく定義されています。近代フットボールでは選手の安全性に関しては特に注意されているため、審判団は危険プレイに対してとても注力して見ています。

日大アメフトDLが犯した反則がなぜ問題かが知りたい。

アメフト DL 反則
今回犯した反則「アンネセサリーラフネス」は不必要な乱暴行為ということで、アメフトのルールの中でも最も厳しく罰せされる反則の一つです。

なぜ不必要と判断されたのか?それはタックルした相手QBが明らかにプレイをしていないプレイヤーだからです。アメフトの場合、オフェンスはフェイクプレイとしてボールを持っているようにランをしたりしてディフェンスの選手をおびき寄せるプレイをする場合があります。この場合、このようなフェイクプレイもありません。それは以下の点で明白です。

① パスが前方へ投げられ、QBが持っていない。
② QBはパスを投げた後、両手は完全に下がっており、ボールを持っていない。
③ QBはパスが不成功だと認識した後、顔は空を仰ぎ、脱力した状態で走っている。

繰り返しになりますが、フェイクプレイで自信がボールを持っているように見せかけ、相手ディフェンダーをおびき寄せるプレイを行っている様子は誰が見てもないものと判断できます。そのようなプレイヤーへ対してタックルするということが、アンネセサリーラフネスと判定された理由です。

パーソナルファウルを他の事例で解説

アメフト DL 反則
今回犯した反則「アンネセサリーラフネス」は「パーソナルファウル」の中の一つです。パーソナルファウルは英語で「Personal foul」と書きます。Personal には「個人」という意味が一般的ですが、「(特定の)個人に向けた」とか「個人攻撃の」という意味を持ちます。

Don’t get personal ! (個人攻撃をしないでください。)という表現もあります。

パーソナルファウルの中で、試合で最も起こる率が多いのが「レイト・ヒット」だと考えます。レイト・ヒットとは「主にボールキャリアに対して、ボールデッド後にコンタクトする行為」と定義します。ボールデッド後はいかなることがあっても相手にコンタクトしてはいけないのがアメフトの基本です。以下の動画はレイト・ヒットの事例です。QBがパスを試みますが、ターゲットがいないためスクランブル(自ら持って走る)をします。サイドラインへ出た後に相手ディフェンダーに突き飛ばされます。

QBは力を抜き、サイドラインへ出てボールデット(プレイ終了)とすることは明白であるにも関わらず、相手ディフェンダーが突き飛ばした点で、レイト・ヒットと判定されます。

パーソナルファウルは最も重要な反則

アメフト DL 反則

「選手の安全性」は近代フットボールにおいて最も重要なテーマの一つです。よって、パーソナルファイルに対しての選手・コーチの理解、審判の判定の理解はとても大切です。そして何よりファンの皆さまがこの反則を許してはいけません。アメフトはハードなスポーツです。しかし、ハードとバイオレンスは違います。

ファンの皆さまにパーソナルファウルの理解を求めたのは、スポーツが発展していくには「ファンの目」がとても大切だからです。ファンの目が向上することで、そのスポーツを取り巻く環境といのはどんどん良くなっていくでしょう。そのために、皆さんどんどんスタジアムへ足を運びましょう!

「いつでも、自由に、好きな時に、スポーツ生観戦ができるライフスタイル」を手に入れ、一人でも多くの方がスポーツ現地生観戦へ行くことを願っています。

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