アメリカ人にも自慢できるアメフトポジション紹介〜DL(ディフェンスライン)〜

アメフト ポジション DL

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こんにちはMr.レフェリーです。「いつでも、自由に、好きな時に、スポーツ生観戦ができるライフスタイル」を提案しながら、大好きなアメフトをみなさんに知ってもらいたいと願っています。

これまで全四回にわたってオフェンスのポジションを紹介してきました。第五回はDL(ディフェンスライン)です。一般的なポジションの説明、そして「選手に一番近いところにいる審判だからこそ語れる」ポジションの特徴、さらに本場アメリカン人にも自慢できるポジションにまつわる話を紹介していきます。DLはディフェンスの最前列に位置し、巨漢OLとぶつかり合いランストップしたり、パスラッシュをしてQBのパスコースをふさぎます。少し前まではOLを上回る巨漢選手を置いて真ん中のラン攻撃を潰すことに専念してきました。しかしオフェンスの戦術が多様になり、パッシングモア(攻撃の主体がパス)となってきたモダンフットボールにおいては、素早くパスラッシュしてQBのパスコースをふさいだり、場合によっては後ろに下がってパスカヴァーをするというスピードが求められています。時代とともにその役割や特性が変わってきたポジションの代表格DLについて紹介します。

ディフェンスの体型とDLの役割

アメフト ポジション DL
DLはディフェンスの最前列に並び、①オフェンスがランニングプレイを行った際はランニングプレイを止める、ことと②オフェンスがパスプレイを行った際はQBにラッシュをしてQBサックを狙う(パスラッシュ) ことの二つの役割を持っています。ディフェンスのオーソドックスな体型を例に挙げて、その名称と役割を紹介します。

1.  4人のDLが並ぶ体型(4-3-4、4-4-3体型)
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4人のDLがディフェンスの最前列に並ぶ体型を紹介します。この体型は最もオーソドックスなディフェンスの体型です。パスに対してもランに対してもバランス良く守れる体型です。真ん中の2人のDLをDT(ディフェンスタックル)といい、外側に位置するDLをDE(ディフェンスエンド)といいます。DTは真ん中を走ってくるランプレイを止め、パスの際はパスラッシュを行います。OLはDLを止めるために2人(ダブルブロック)、3人(トリプルブロック)でブロックをしてきますので、それにも負けない体重が求められます。パスの際はQBが真ん中に通そうとするパスをブロックするため、ハンズアップ(手を上げて)をしてQBのパスを叩き落とします。DTにはOLに押されない重さと、パスコースを邪魔する上背が求められます。DEはオープンを狙ったランプレイを止めることが役割です。パスプレイの際はオープンサイドからQBへラッシュをかけQBサックを狙います。逆サイドへプレイが行われた際はチェイス(追いかける)という役割でボールを追いかけます。自分の外側にはディフェンダーがいないため、仮に外側を突破されたらロングゲインになる危険性があります。そのためDEには素早くQBやボールキャリアにたどりつくためのスピードが求められます。

 

2.  5人のDLが並ぶ体型(5-2体型)
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5人のDLがディフェンスの最前列に並ぶ体型を紹介します。この体型はゴール前などでオフェンスがランプレイに比重を置いた体型を行ってきた際に使用します。ランストップに比重を置いた体型です。DLには4-3-4体型に比べてより重い選手を選ぶ場合が多いです。特徴的なのはNT(ノーズタックル)です。C(センター)の対面(トイメン)にセットして真ん中のランプレイをストップすることが役割です。オフェンスのベストブロッカーであるCと対峙しますので、NTは1on1(ワン・オン・ワン)では絶対に負けない最強のDLを置くことが多いです。DTとDEの役割は4-3-4体型と同じです。

 

3.  3人のDLが並ぶ近代フットボールのディフェンス体型(3-4-4体型)
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近代フットボールは「パッシングモア」と呼ばれており、パス攻撃を多用する戦術が主流となっています。それに応じてディフェンスはパスディフェンスに比重を置く必要があり、3人のDLがディフェンスの最前列に並ぶ体型が開発されてきました。3人に加え外側のLBがDEの役割を担っているのもこの体型の特徴です。NTやDTの役割はこれまで紹介してきたものと同じですが、DEに求められる役割や能力が大幅に増えているのが特徴です。DEがパスラッシュをせずパスカヴァーをしたり、オープンプレイに対しては広い範囲を一人で守る必要が出てきます。前にラッシュするスピードだけでなく、DB並のパスカヴァー能力やスピードが求められます。比較的大きなDBを筋力トレーニングでさらに体を大きくしてDEにコンバートするといったチームづくりが計画的に行われているケースも多くあり、DEに以下に有能な選手を置くかが近代フットボールディフェンスのカギと言えます。

ぶつかり合っているだけではない!様々なテクニックを駆使するDL

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プレイ開始とともにDLとOLの激しいぶつかり合いがはじまります。この争いは戦争用語に例えて塹壕戦(Trench Warfare、通称トレンチ)と呼ばれています。この時OLはDLをあらかじめデザインされたブロック方向に押そうとし、DLはブロックを跳ね返したり、よけたりしながらQBやボールキャリアを目指します。ただ大きな男たちがぶつかり合っているように見えるこのトレンチ、しかし実際のところDLは様々なテクニックを駆使しているのです。DLがいろいろなテクニックを使ってOLのブロックを突破しようとしている戦いは、観ていて非常にスリリングで楽しいものです。最も基本的なDLのテクニックを紹介します。

① スウィム(swim) ・・・ 腕をクロールで泳ぐようにして相手ブロッカーを横へかわすテクニック。
突進してくるOLに対しては非常に効果的です。腕をクロールのように回してその下をOLに通させブロックをかわします。

② リップ(rip) ・・・ 相手の下(特に腕の下)に自分の手を入れて持ち上げ、相手をくぐり抜けるテクニック
OLの状態が高くなるのでバランスを崩し、自らは低い姿勢になるため安定した姿勢となる。リップをしようとすると相手が低くなろうとするため、そのからスウィムで上からかわすという組み合わせもできる。

③ スピン(spin) ・・・ 体を回転させ、逆方向へラッシュするテクニック。
例えば右へラッシュするよう見せかけ、素早く回転して左にラッシュすることでOLの態勢を崩しブロックされずにラッシュすることができる。

 

DLは50ydsを走って一番になる必要はありません。素早くスタートすること、そしてわずか1〜3ydsの間で勝負が決まるポジションです。そのわずかな時間と距離の間で様々なテクニックを駆使して戦うDL。とにかく素早く手を動かし、素早く足を動かすことができる能力が必要なのです。

日本アメフト界伝説のDL 義政孝夫氏

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NFL、NCAA、そして日本社会人リーグにもDLの名プレイヤーは多く存在します。しかし私が最もインパクトを受けたのは、私がまだ現役アメフトプレイヤーだった2000年代に観た日本社会人リーグの試合にいました。アズワンブラックイーグルス(Xリーグ所属)というチームには、選手と同じようにショルダーとヘルメットを着けいつでもグラウンドに飛び込める状態の監督がいました。義政孝夫監督です。

1977年にプレイヤーとして同チームに入団、1984年から約20年間は選手兼監督として活躍されていました。2005年からは監督に専念されているようですが、50歳近くまでグラウンドに立ち続けてプレイされていました。公式なデータはありませんが、身長178cm、体重130kg、監督兼OL兼DLという3つのポジションを担当。30歳以上も離れた選手達とぶつかり合っていたと思うと、アメフトに対する情熱、紳士な姿勢というのには頭が下がります。アメフト界の三浦知良選手ですね!NFLでも50歳までプレイした選手はいません!まさに日本アメフト界の伝説のDLです!

アメフト現地観戦でトレンチの迫力を堪能しよう!

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DLの魅力は「トレンチの戦い」です。ディフェンスの最前線に位置し、体を張ってオフェンスのゲインを防ぎます。アメフトは陣地を奪い合うスポーツです。要はオフェンスはボールを前に進め、ディフェンスはその前進を防ぐ、その攻防の主役は今回紹介したDLなのです。そしてただぶつかっているだけでなく、わずかな時間の中で繰り出される様々なテクニックやスピードも生観戦では堪能してください!

アメフトのDLについて、そのポジションの特徴をお分かりいただけたかと思います。彼らのプレイ、その勇姿をスタジアムで観ていただきたいです!

アメフトについては「アメフトとラグビーの違い」と「アメフトの試合時間」について別の記事で紹介をしています。こちらも参考にして、アメフトをより詳しく知ってください。

 

「いつでも、自由に、好きな時に、スポーツ生観戦ができるライフスタイル」を手に入れ、一人でも多くの方が一日でも早くアメリカでアメフト観戦を実現して欲しいと願っています。

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