こんにちはMr.レフェリーです。アスリートがパフォーマンスを十分に発揮する上で睡眠はとても重要です。競技力を高めるためのトレーニング方法を考えるトレーニング科学、コンディショニングを整えるための食事を考えるスポーツ栄養学の分野に続き、近年では睡眠を含むリカバリー（疲労回復）の重要性が知られるようになってきました。
睡眠の重要性が認知されると共に、寝具メーカーはそれをサポートする枕や布団の開発も勧めてきました。そのひとつエアウィーブでは「五輪選手293人中、150人以上がロンドンに持ち込んだ 噂の寝具『エアウィーヴ』」と有名選手やトップアスリートへ寝具を提供してPRを進めています。スポーツ選手を利用した広告をきっかけに実際売上を伸ばしているとのことです。睡眠はアスリートだけのものではなく、ビジネスマンや学生、主婦にとっても重要なもの。そんな睡眠とスポーツ、さらにスポーツビジネスの世界を紹介します。
10時間睡眠で競技力アップ
睡眠医学の権威である早大スポーツ科学学術院の内田直教授は、「10時間睡眠が競技力アップにつながる」と述べます。
『アスリートは睡眠を重視し、積極的に取り入れています。早大競走部の長距離選手は合宿中に10〜12時間くらい眠ります。50キロ以上走るなど高強度のトレーニング後は、回復のために長く寝る必要があるからです。アメリカのスタンフォード大の研究で、バスケットボール選手に1日10時間の睡眠を推奨したところ、競技力の大幅な向上が見られたとのことです。睡眠と疲労回復の関係においては科学的な根拠に基づいた研究も進み、睡眠に注目するアスリートが増えています。一番大事なのは寝る時間を削らないこと。平日と週末の睡眠時間が同じになるのが最も理想的です。日本人は仕事に追われ、十分な睡眠時間が確保できていません。習慣的な運動をすることも、睡眠の質を高めるためには重要です。』
トレーニングをすることで筋繊維は破壊され、精神的にも疲労します。回復することで筋肉や壊れた細胞は以前よりも強く大きく再生します（超回復といいます）。アスリートが十分な疲労回復をするためには10時間の睡眠が不可欠なんですね。
快眠寝具で睡眠をサポート
「枕が変わったら寝られない」という人がいます。出張先や旅行先のホテル、里帰りした際にいつもと寝心地が違っていて十分寝られなかったという経験も一度はないでしょうか。10時間の睡眠をサポートするには寝具選びも重要なポイントだと内田直教授は言います。
『素材や研究データの比較だけでなく、自分で経験することが一番です。実際に横になってあおむけになったり、寝返りを打ったりすると、自分に合った寝具が分かってきます。年齢や性別などによっても合う寝具は違います。無理のない姿勢で横になれる寝具を見つけてください。』
主な寝具は、枕、マット、布団 です。特に疲労回復に影響するのが、寝る際の姿勢を支える枕とマットです。枕が高い/低い、マットが固い/柔らかい によって、横になった際の体の姿勢が決まります。理想は「体にかかる圧力（体圧）が満遍なく分散されている状態」、部分的に負担がかかった姿勢で寝ると体の節々であったり、内臓が圧迫されたりして休息の妨げになるようです。マニフレックス（本社・イタリア）、エアウィーブ、西川産業といった寝具メーカーから、そのような姿勢をサポートする商品が販売されています。
寝具メーカーの現在、有名選手でPR合戦
マニフレックスは1993年から日本で販売を開始した寝具メーカーです。アスリート支援に力を入れることで、その製品力のPRにつなげています。近年ではMLBの青木宣親選手、前田健太選手、ドイツ・ブンデスリーガの香川真司選手などにマットレスを提供し、広告塔としてアドバイザー契約を結び、売上げ増につなげてきました。また2014年からは大相撲力士の嘉風と契約を結んでいます。力士が愛用しているということは商品の耐久性PRにつながり、日本人、特に年配の方への訴求効果が高いと言われています。
その他エアウィーブはオリンピック日本選手団への寝具提供をすることや、浅田真央選手、錦織圭選手と契約することでPRを進めています。創業450年の老舗メーカー西川産業は、サッカーの三浦知良選手やネイマール選手、MLB田中将大選手らと契約を交わしています。スポーツ選手に愛用してもらうことで、寝具に興味が薄かった若年層や男性層の取り込みに成功しています。「睡眠に一番敏感なのがアスリート。その人達に選ばれ続ける商品の開発、研究に投資は惜しまない。」と、アスリートとタイアップすることは周知を広めるだけでなく製品力を付けていく上でも必要なことのようです。
10時間睡眠とサポート寝具でパフォーマンスアップ！
数年前までは私も寝具に一切こだわったことはありませんでした。まだ若かったこともあり、体力的には少々無理しても問題無かったこともありますが、睡眠の大切さを十分に理解していなかったのでしょう。しかし、5年ほど前にその重要性を理解しました。結婚の際、妻がマットレスと枕を嫁入り道具として持ってきたのですが、寝た感触、寝起きの疲労回復具合が以前に比べて格段に良かったのです。聞いたところ、西川産業で購入したマットレスで10万円するものでした。枕に関しては個々の頭の高さに合うように調整されたものでした。「こういうものにお金をかけるべきなんだな。」という感想をもったことを覚えています。
アスリートだけでなくビジネスマン、学生、主婦の方全ての人にとって睡眠を通して疲労回復することは非常に大切です。睡眠をすることで日中に記憶したもの（勉強したもの）が脳の中で整理される効果もあります。10時間（最低でも6時間以上）の投資ができるかできないかが、翌日の、未来のパフォーマンスを左右します。またそれをサポートする寝具に気を配れるかどうかも重要です。「システム障害が発生したので徹夜で復旧が必要だ！」といった時に睡眠を削るのは仕方のないことですが、十分なパフォーマンスが発揮できるよう普段から十分な睡眠を確保するよう心掛けましょう。睡眠も練習、仕事なのです。
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