アメリカ人にも自慢できるアメフトポジション紹介〜RB(ランニングバック)〜

アメフト ポジション
こんにちはMr.レフェリーです。「いつでも、自由に、好きな時に、スポーツ生観戦ができるライフスタイル」を提案しながら、大好きなアメフトをみなさんに知ってもらいたいと願っています。

第二回はRB(ランニングバック)です。一般的なポジションの説明、そして「選手に一番近いところにいる審判だからこそ語れる」ポジションの特徴、さらに本場アメリカン人にも自慢できるポジションにまつわる話を紹介していきます。ボールを持つポジションであり、QBと同様アメフトオフェンスの主役です。ただボールを持って走るためのスピードが速いだけでなく、あらゆるところからヒットやタックルをされてもケガをしないタフネス、恐怖に打ち勝つ心や勇気が求めれるポジションです。走力だけでなく、パスキャッチやブロッキング力も求められるマルチプレイヤーの魅力を紹介します。

RBに求められるのは「スピード」、「ブロック」、「パスキャッチ」能力

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まずはじめに、RBの役割を説明します。A.ボールを持って走ること、 B.パスプレイ時にQBを守ったり、他のRBの走路をあけるためにブロックをすること、 C.パスターゲットになること、が主な役割です。ABCの役割から、RBは主に2種類に分けられます。

① ボールキャリーを主とするRB
② ブロッキングを主とするRB

①は1ヤードでも多くゲイン(獲得)するためのスピードとパスキャッチ能力が求められます。身長はそれほど大きい必要はなく、175〜180cmで体重は90kgぐらい。あまり身長が大きいと、密集を抜けることに適さず、タックルを受けやすく相手選手にぶつかったりする可能性があります。アメフトの中で平均身長が一番低いポジションです。言葉は悪いですが「スピードのあるチビデブ」が最も適しているポジションです。

②のブロッキングを主とするRBは、ブロッカーとしても役割が求められます。スピードのあるRBが抜けていく穴をこじ開ける役割です。スピードはもちろん求められるのですが、それ以上に求められるのはブロッキング能力。ディフェンスプライヤーにヒットして、相手の動きを止めることが仕事です。身長は190cm以上で体重は110kg級の大柄な選手が理想ですね。

大学でアメフト部へ入部して最初に希望したポジションはRBでした。「最初に」ということは後に変わっているということですが、RBというのがオフェンスの得点源であることから、かっこいいと素直に感じていました。しかし同期で陸上経験者がいて、短距離では圧倒的に彼のほうが早く、私は3日でRBをクビになりました(T_T)。求められる能力を3つ挙げましたが、一番は「スピード」だと思います。

RBは『誇り高きエクスペンダブルズ』

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NFL選手会(NFL Players Association)から発表されている興味深いデータがあります。その名も『Average Player Career Length in the NFL』、NFL選手の平均プレイ年数です。これによると、NFL選手の平均プレイ年数が3.3年に対して、RBは2.57年です。約一年短いんですね。しかもこの数字はアメフトのポジション別で最も短いものです。

なぜRBは平均プレイ年数が短いのでしょうか?それは一重にケガが多く発生するポジションだからだと言えます。ボールを持って走るRBを止めるために、120kg級の男たちがフルスピードで襲い掛かってきます。それも一人や二人ではありません。正面から、横から後ろから、または倒れたその上から飛び込んでくるなど、防具をしているからといってもその衝撃はとんでもないものです。脳震盪、骨折、捻挫、靭帯断裂、アキレス腱断裂など、選手生命に関わるケガを最も受けやすい状況に置かれているポジションなのです。

RBのことを、私は現場で観ながら『誇り高きエクスペンダブルズ(消耗品)』と呼びます。チームの勝利のために、仲間のブロックを信じてボールを運ぶ。そのプレイでケガを負うかもしれない、選手生命が絶たれるかもしれない、そういった恐怖と戦いながら彼らは走るのです。アメフト観戦中にRBの華麗な走りだけでなく、彼らの抱く覚悟や誇りを感じて欲しいのです。

身長173cmのスーパーランナー バリー・サンダース

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RBで記録を残す選手はそれほど大きくない選手が多いです。背が高ければそれだけタックルされやすいですし、密集を抜けるのにじゃまになってしまいますね。OL(オフェンスライン)がブロックしてこじ開けたラッシングレーンを素早くすり抜けていき、ディフェンスのタックルを華麗にかわすという技術が最も必要なのでしょう。RBのスーパーランナーとして私が押すのが、1989年から1998年の10シーズン デトロイト・ライオンズで活躍したバリー・サンダースです。身長173cm、体重92kgとNFL選手としては大変小柄ですが、密集を抜けるスピード、ディフェンスをかわすカットバックと呼ばれる技術に優れ、数々のNFL記録を樹立しました。NFL殿堂、カレッジフットボール殿堂にも入っています。

バリー・サンダースのスーパープレイの映像はこちらです。狭い隙間を一瞬で抜けるスピード、ディフェンダーをかわす技術、トップスピードにのった時はもう止められません!

バリー・サンダースの特徴は非常に高いボディバランスです。とても低い姿勢で足が地面と並行になるぐらいの角度でも彼は倒れません。写真のように流れるように走っている姿は、彼の映像ではよく観られます。「全力疾走からバックペダルができる。」というような伝説もあります。前向きに全力で走っていながら、急に後ろ向きに走ることができるのです。トップスピードからあらゆる方向へ走ることができる選手というのは、現在のNFL選手でも皆無です。過去に活躍した選手の中で、バリー・サンダースというのは現在のNFLに入っても遜色ないプレイができる数少ない選手です。

アメフト現地観戦でRBのプレイを堪能!

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RBはランニングプレイの中心、得点を決める選手でアメフトの花形であることは間違いありません。その反面、平均プレイ年数が2.57年と3年にも満たない運命にあり、ケガという大きな代償と紙一重でいつもプレイしています。チームの勝利のために、仲間のブロックを信じてボールを運ぶ。そのプレイでケガを負うかもしれない、選手生命が絶たれるかもしれない、そういった恐怖と戦いながら彼らは走るのです。RBの華麗な走りだけでなく、彼らの抱く覚悟や誇りを感じて欲しいのです。

アメフトのRBについて、そのポジションの特徴をお分かりいただけたかと思います。彼らの抱く覚悟や誇りを、スタジアムで観ていただきたいです!

アメフトについては「アメフトとラグビーの違い」と「アメフトの試合時間」について別の記事で紹介をしています。こちらも参考にして、アメフトをより詳しく知ってください。

「いつでも、自由に、好きな時に、スポーツ生観戦ができるライフスタイル」を手に入れ、一人でも多くの方が一日でも早くアメリカでアメフト観戦を実現して欲しいと願っています。

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