アメリカ人にも自慢できるアメフトポジション紹介〜OL(オフェンスライン)〜

アメフト ポジション

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こんにちはMr.レフェリーです。「いつでも、自由に、好きな時に、スポーツ生観戦ができるライフスタイル」を提案しながら、大好きなアメフトをみなさんに知ってもらいたいと願っています。

第三回はOL(オフェンスライン)です。一般的なポジションの説明、そして「選手に一番近いところにいる審判だからこそ語れる」ポジションの特徴、さらに本場アメリカン人にも自慢できるポジションにまつわる話を紹介していきます。OLはアメフトの象徴です。華麗なパスやラン、得点シーンもおもしろいですが、やはり鍛え抜かれた体をぶつけ合うブロックやヒットがアメフトの醍醐味だと考えます。OLの中心はC(センター)、その左右にG(ガード)、そして一番外側にT(タックル)が並ぶのが一般的です。プレイと同時に体をはって、QBを守ったり、RBの走るレーンをこじ開けます。単に相手にぶつかるだけでなく、非常に綿密なサインやルールがあり、頭が良くないとプレイできないポジションなんです。非常に奥の深いポジションなんです!

OLはアメフトの象徴!肉体と頭脳をフルで使いこなすポジション

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まずはじめに、OLの役割を説明します。アメフトの攻撃は、ランとパスの二種類です。OLはその二種類の攻撃全てを支えます。

① ラン攻撃の時の役割・・・ボールキャリアが走る走路を作る。
② パス攻撃の時の役割・・・ディフェンダーからQBを守る。

いずれも自らの体を相手にぶつけたり、相手の重圧を受けながらブロックをします。そのためOLはアメフトのポジションの中で一番大きな選手が選ばれます。NFLでは、身長200cm、体重150kgぐらいの選手を揃えます。そしてアメフトのOLで難しいのが大きいだけではだめなこと。素早くディフェンダーにブロックできるスピードと、左右に動くディフェンダーに追いつけるだけの細かなステップ・俊敏性が要求されるのです。クイックネスともいいますが、この要素がOLには必要となってきます。大きいだけではだめなんです。

そして頭も良くないとこなせないポジションなのです。アメフトではあらかじめ誰をブロックするかを決めておきます。これをアサイメント(役割)といいます。しかし相手ディフェンスのアライメント(位置)はいくつものパターンがあり、準備していたものと異なったアライメントの場合も少なくありません。並んでセットしているOL5人は、常に互いにコミュニケーションをとり、都度ブロックの仕方を変更しているのです。レフェリーとして選手の近くにいると、プレイ前のOLの綿密なコミュニケーションの声が聞こえてきます。「♯50 ダブルブロック!」「#90 トリプルブロック!」、一瞬で相手ディフェンダーのアライメントを察知し的確なアサイメントを決め、体をはったブロックを繰り返す彼らこそ、アメフトの象徴だと考えます。

そして「アメリカン人はOLのことよく分かってるな〜」と感動したことがあります。ハワイでプロボウルを観戦した際、フィールドに出てくるのはOLが一番最後なのですが(おそらく作戦会議が一番長い)、その時の歓声が一番大きかったんです。スター選手が多く出場する中で、OLの選手が出てくる時に大歓声が上がった点は、やはりアメリカ人が一番アメフトを分かってるなと感じた瞬間でした。

OLのエースはLT

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OLにはC(センター)、G(ガード)、T(タックル)の3種類があり、GとTには右と左をあらわすRとLが頭に付けられ、RG、LG、RT、LTと呼ばれます。OLとひとことで言っても5種類のポジションがあります。それぞれの特徴を説明します。

◆C(センター)・・・OLのリーダー的存在
Cはオフェンスラインの中心に位置し、ボールをスナップしてQBに渡す役割を担います。背番号は50番台をつけることが多いです。ハドルという作戦を立てるための円陣を作る場所を作るのも役割のひとつ。そのためオフェンスのリズムを左右し、ゲームをコントロールできる能力を持っている必要があります。Cはスナップをしてからすぐに相手をブロックする必要があり、他のOLに比べて素早さと器用さも要求されます。スナップミスやブロックミスはゲームの勝敗に影響するため、QBと同じくらいオフェンスにおける責任を担います。
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◆G(ガード)・・・OLのスピードスター
LGとRGはCの左右に位置します。背番号は60番台をつけることが多いです。Gのプレイの特徴として、ボールキャリアーが真ん中ではなくオープンサイドへ走るプレイの際、先に走っていってディフェンダーをブロックするというプレイを多用します。このGの動きをプルアウトといい、一度後ろへ引いてから外側に走っていって、それから相手をブロックするという非常に難しいものです。前へ相手を押し込む力強さも必要ですが、広いフィールドでディフェンダーにかわされることなくブロックできるスピードが必要です。
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◆T(タックル)・・・OLのナンバー・ワンブロッカー
LTとRTはそれぞれLGとRGの外側に位置します。背番号は70番台をつけることが多いです。ラン・プレーの際はディフェンスを押し込む中心となり、パス・プレーの際は外側から回り込んでくるパス・ラッシャーをブロックする役割を担います。OLで一番ブロック力があり、かつ大きな選手が選ばれます
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現地生観戦する際はLTに注目してください!LTこそOLのエースなんです。右利きのQBの場合左サイドは視野が狭くなる死角と呼ばれるエリアになります。このエリアを通称「ブラインドサイド」と呼びます。ブラインドサイドから迫るディフェンダーにタックルされようものなら選手生命に直結する負傷を免れません。それを守るのがLTなのです(左利きQBの場合はRTがエース)。どのチームもLTには優秀なブロッカーを配置します。LTのブロック力、動きをみれば、そのチームのライン能力を知ることができると言っても過言ではありません。

史上最強のOLユニット「アース・ムーバー(地球を動かす男たち)」

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OLはオフェンスの主要なタイトル、例えばパス獲得ヤード数、とかラッシング獲得ヤード数というようなものを受け取ることはありません。QBやRB、WRといったボールを扱うポジションの選手がそれらを受賞します。しかしそれらの記録は、当然OL達のブロックのようなプレイに支えられています。

OLの特徴として個人ではなくユニットとしての評価を受けるという点があります。どんなに優秀なOLがいたとしても一人の力ではディフェンダー全員に対抗することはできません。ラッシング獲得ヤードが多いチームではあれば、OLのブロック力がディフェンダーを圧倒していることになりますし、パス獲得ヤード数が多ければ、QBを相手ディフェンダーのパスラッシュから守りきるOLのパスプロテクション能力が高いことを意味します。ということでOL最強のユニットを紹介します。アトランタで開催された第28回スーパーボウルを制覇したダラス・カウボーイズのOLユニット、通称「アース・ムーバー(地球を動かす男たち)」が間違いなく史上最強のOLユニットです。この試合ではカウボーイズは、30-13の大差でバッファロー・ビルズを破りました。MVPには2TDをあげたRBエミット・スミスが選ばれ、30回のランで132ヤードの活躍でした。「RBが活躍する=OLユニットのブロックが優秀」という理解ですので、このOLユニットがいかに優れていたかが分かります。

アース・ムーバー は以下の男たちです。
LT:マーク・トゥイネイ 196 cm/142 kg
LG:ネイト・ニュートン 191 cm/152 kg
C:ジョン・ゲセック  196 cm/128 kg
RG:ケビン・ゴーガン 201 cm/141 kg
RT:エリック・ウィリアムズ 198 cm/147 kg
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平均身長196cm、体重142kgというOLユニットは、他チームを圧倒していました。アース・ムーバー が活躍したのは1992年〜94年、今から25年ほど前です。現在NFLのOL平均身長は198cm、体重136kg。身長はそれほど変わりませんが、体重では実に6kgもEarth moverが上だったんですね!「最強のOLユニットは、第28回スーパーボウルを制覇したダラス・カウボーイズのOLユニット Earth mover」と覚えておいてください。

アメフト現地観戦でアメフトの象徴OLのブロックを堪能!

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OLはアメフトの象徴、いやアメフトそのものです。鍛え上げた大きな体を相手に激しくぶつけるスポーツ、それがアメフトです。無数のプレイが存在し相手の位置や動き、試合状況を考慮して最適なプレイを選択するスポーツ、それがアメフト。体を使い、そして頭を使うアメフトを真髄から体現しているのがOLなのです。

アメフトのOLについて、そのポジションの特徴をお分かりいただけたかと思います。まずは彼らの圧巻の大きさを、そして次にブロッキングを、スタジアムで観ていただきたいです!

アメフトについては「アメフトとラグビーの違い」と「アメフトの試合時間」について別の記事で紹介をしています。こちらも参考にして、アメフトをより詳しく知ってください。

 

「いつでも、自由に、好きな時に、スポーツ生観戦ができるライフスタイル」を手に入れ、一人でも多くの方が一日でも早くアメリカでアメフト観戦を実現して欲しいと願っています。

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